シマノのスプロケのロックリングはネジ切りの長さ(と全体の厚さ)がグレードによって違うという噂を検証してみました。
ギア間座を含まないフランジからの高さ(首下寸)は以下の通りです。
ノギス計測のため誤差があります。
cs-6600(14t) 3.8mm (steel)←New!!
cs-6600(15t) 3.8mm (steel)←New!!
gs-hg50-9(13t) 3.8mm (steel)
cs-7800(12t) 4.25mm (alloy)
cs-7900(12t) 4.25mm (alloy)
cs-6700(11t)
cs-7900(11t)
cs-6800(11t) 4.9mm (alloy)←New!!
(追記: アルテグラのCS-6600、ジュニアスプロケについて。
これはアルテグラグレードですが、ロックリングは鉄製(磁石にくっつく)で105などと同じっぽいですね。
105以下のグレードについてはどの歯数も全部この鉄製になっています。(歯数でフランジ径は違いますが)
あと、とうとう13tトップ以上のスプロケはこのジュニアスプロケと、あとは9速のSORAに残るだけになってしまいました。
ジュニアスプロケがある限りなくなることはありませんが・・・)
ちなみにデュラエース7800&7900とアルテグラ6700はアルマイトの質も同じ、材質もおそらく同じ、面取りCやRの大きさも同じ、ブランド名の印字の質感までそっくりですが、もしかしてネームを変えただけの同一パーツなのでは・・・?
(っていうか新たに入手して分かりましたが、6800も黒アルマイトに変わっただけの同じものっぽいです。てことはCS-9000のロックリングも)
左から7900、6700、6800(いずれも11t)
で、肝心のデータですが、
トップの歯数が小さいほどネジ込みが深くなっているという傾向がみられ、グレードによらず同じ歯数なら同じ数値です。
また、トップ歯数が小さいほどフランジの直径が小さくなっています。これはギアの径が小さくなるんですから、当たり前といえば当たり前ですね。
これが10速ティアグラやSORAなどのロックリングでも同様なのかどうかは今回入手してないため不明です。
(が、同じだろうと推測されます)
あー無駄づかいした。
結論めいたことを書くなら、10速用のハブに11速カセットスプロケを装着したい、などの場合、ロックリングのネジが長めのものに交換するとしたら、トップ11t用を使えばいいということになります。
シマノ ロックリング&スペーサー CS-9000(11t)(Y1YC98010)
(その前に、10速ハブに11速カセットを装着するとトップギアがスプラインに噛み合わないため、そのままでは空回りしてしまいます。ですのでロックリングがどうのと言う前にそもそも使用不可です。
ですがローギアユニットの裏側の出っ張りをどうにかアレすることによって何とかなったりします。→アレ
ところがカセットにこのアレを施してしまうと今度は11速ハブにそのままでは取り付けられず、10速用スペーサー(というか1ミリ厚スペーサー)が必要になります。だいたいハブやカセットに付属してますが。
そこさえ妥協できれば何とかなるんですが、スプラインとの噛み合いが純正よりもやや浅めになるようです。
ググってみると実績がある方法なので、破損につながるほど浅いわけではないようです。
とはいえもちろん推奨されることではありませんから、やや長めのネジを持つロックリングを利用して、しっかりとした締め付けを期待しようというわけです。)
ですが今回調べたデータを見ると、より長いネジを持つロックリングを使うというのが、果たして安全なことなのかどうかはよくわかりません。
ネジが長いってことはフランジ径が小さくなっているはずで、ネジ山の掛かりと、フランジの径のどちらを優先したら良いのかという話になります。
まあ普通に考えたら、ロックリングの材質(アルミ)を勘案してもネジ山の長さを優先するほうが理に適ってるでしょう。
スプラインへの掛かりが浅くなったのと同じ分だけ、ロックリングネジがハブへ掛かる山の数も減っていますので、その分長いネジに交換した方が安心感があることは確かです。
ただ注意したいのは、もともと付いていたロックリングがあるはずで、それよりも長いロックリングは、今付けようとしてるカセットのトップギア歯数に適した(とシマノが考える)元のフランジ直径よりも小さいわけです。
ギア歯の径に対して適正な(とシマノが考える)直径のフランジよりも小さいロックリングを使って締め付けた場合、トップギアに強いトルクが掛かったときに歯先がひずみやすくなるのでは?という心配は(一応)ありますが、シマノ自身も、13t以上のスプロケには一律同じ鉄製ロックリングを使い回しているのを見ると、これはたぶん考えすぎなのでしょう。