私の腿周りは45cmとかなり細い。ユニクロは76でぴったりという体型。
ところがサイクル用インナー類は、その痩せている体型ですらタイトすぎる製品も多く、またメーカーごとにサイズ表記がバラバラで当てにならない。だからできれば試着をしてから購入したいのだが肌着と同じような性質の商品だけに、多くの店では試着・返品・交換不可となっている。そこで少しでもサイズ選びの参考になればと思いレビューを書くことにした。[1]

Sugoi RC Pro Cycling Short Liner 購入価格 ¥3438(Wiggle)

これまでAmazonなどで安価に売られているサイクリング用パッド付きインナーパンツを数種類試したが、「これだ」というものがなかった。
Sugoiのパッドは良くできているという話はあちこちで見かけるものの、レーサーパンツを買うと高いし・・・と思っていたら、なんとインナーも出しているのを発見。
しかも安い。
ただし海外通販でしか手に入らないのが難点。[2]

今回このProRC Cycling Short LinerはMサイズを選択。
海外製品で、かつ、海外の通販業者から買ったので、日本のサイズ感覚よりも表示が大きめであることを見込んでとりあえずMサイズを注文してみたのだが、ちょうど良かったようだ。つまり日本サイズのMと同じ感覚で選択して問題ないと思われる。
痩せ形の私にとっては腹回りが少しゆるめだが、インナーがあまりきつすぎると苦しいため、これでOKとする。
痩せ型~標準体型の人は、日本製品のMで合っているならM、LならLと表記通りで大丈夫だと思う。
裾ゴムは今まで買ったインナー数点にきつすぎるという欠点があったのに対し、これはゴムが弱い。
私の細い腿まわりでもゆるやかにフィットしており、走行中にずり上がったりすることはなかったし、逆にきつくて締め付けられるということもなく良好。[3]
また、シリコンだと思われる滑り止め加工がされているが、これがかぶれるということもない。つまり着用において何らかの違和感を覚えるような点は見受けられない。

パッドは、これまでに持っていた物と格が違うのを着用してすぐ感じる。
Sugoiのパッドは評価が高く、特に長時間乗り続けるような用途では絶賛されているのを何となく知っていたが、あーなるほどこれか、という感じ。
大雑把に言うと、肌に触れる側が柔らかく、外側(サドル側)が固い構造で、全体は薄いのに底着き感がない。
また、尿道があたる部分に溝があり、いわば穴あきサドルのような構造になっている。
安物パッドでもこのような3D形状っぽいものはある。しかしそれらは内蔵のスポンジフォームが厚く柔らかすぎるため体重で押しつぶされて形が崩れ、圧迫感が生じたりすることもあるのだが、これは乗車時にも形が崩れず体重がしっかりサポートされ、かつ、尿道部分がフリーで圧迫されないという安心感がある。
安物パッドがサドルに敷く座布団だとすると、これはケツに履く靴、とでも言うような感覚。
さらにこのパッドは、長時間ライドでもずっとサラサラしている。
どうやら、真ん中の溝部分に通気性があって湿気を逃がしているらしい。
このためパッド表面が汗で湿り不快感を覚えるということがなく、ふやけた皮膚がパッドとあたって擦り剥けたり痛んだりといった不安も少ない。その点でも安物とは一線を画している。



↑1まず、サイズ選びの前提として「インナー用途」であるから、ややルーズフィットを目指した。
通常のレーサーパンツはタイトフィットでゆるみがない方が着心地も見た目も良く、理に適っている。しかしインナーをレーパンと同じ感覚で選ぶと、上にさらにサイクリングパンツを重ねることで腹回りが苦しくなるなど弊害が生じるためにややルーズめが良い。
逆にルーズすぎると、余った部分がたごまって漕ぎ難かったり、肌と擦れて痛んだりといったことが考えられるが、これまで入手したインナー類は全て、キツすぎることはあっても緩すぎることはなかった。これに鑑みると、インナー類は通常のサイズ感覚よりも少なくとも「1サイズ上」を選択したほうが無難である。
とはいえ、海外製品のサイズ表記は日本人の感覚からすると大きすぎる場合が多々あり、そうした事情も、ただでさえ試着できないインナーのサイズ選択を困難にしている。
また、同じ海外製と言っても、これが日本の代理店を通すと、表記が日本人向けに書き換えられていたり、表記は現地のままだが参考サイズが解説に添えられていたり、完全に放ったらかしだったりと、さらにややこしいことになっている。

↑2
現在Wiggleではこの製品の扱いがなく、品切れなのかメーカー生産中止なのか不明だが、ドイツの通販会社BIKE24では今のところ取扱が継続中。ただ Wiggleと違って日本語化されておらず、ユーロ決済のみで送料も別と、現時点(2012年末)ではやや高くつく傾向。
(12/30追記:取扱終了した模様)

↑3
パッド付きインナーパンツに共通して言えることだと思うのだが、どうも、裾まわりのゴムがきつすぎることが多いようだ。
レーパンならぴっちりフィットする必然性もあるが、インナーという性質を考えると、むしろゴムが弱いほうがいい。でも洗濯ですぐよれよれになるようでは困るので、できれば「弱めで丈夫」であってほしい。